ドイツニベア社やレゴ社に見る『共創コミュニティ』のメリットとは?

オンライン上での消費者(クライアント)とのコミュニケーションをさらに円滑化するため、ドイツやオランダなど多くの国で2014年頃から『共創コミュニティ』を導入する企業が増えています。こうした企業では『共創コミュニティ』の場を、クライアントとの意見交換やキャンペーン提供など、複数のプロジェクトを同時に実施することができる参加式プラットフォームとして提供しています。

▼ユーザーの希望を反映させた、ニベア社のデオドラント製品開発

例えば、ケア製品大手の『ニベア』ドイツ本社でも、この『共創コミュニティ』をいち早く導入しながら、クライアントの希望を反映させた新製品開発に取り組んできました。

デオドラント製品の開発にもっとも活用された、ニベア社の『共創コミュニティ』図

たとえば、ニベア社のデオドラント製品開発では、メジャーSNSサイトを利用した共創コミュニティ内で製品への不満についてカスタマーからの意見を募りました。その結果、もっとも改善されるべき製品だとわかったのは、デオドラント・スプレーでした。問題は、スプレーの液が服にしみとして残ること、そして、このしみが、洗濯しても簡単に落ちない、ということにあったのです。この2点を改善するべく、社では、洗濯洗剤の原料とスプレーとの相性に問題があることを突き止め、その後、どんな洗浄液に対しても負の反応をおこさないスプレーを開発、販売して好評を得ているということです。

▼クライアントからのアイデア満載の、レゴによる『共創コミュニティ』。

もうひとつは、『レゴ』の例です。レゴ社では、消費者のニーズに合わせ、ほぼ四半期に1~2回、製品開発を行なっています。社では過去に、販売数減少に対処するため、徹底した消費者調査を実行し、問題解決をした例を持ちます。1980年代以来、レゴ社ではブロックの製作特許期限が切れています。そのため、似たようなブロックを他社が製作することも可能なのです。では他社との競争が確かにある中、いかにしてレゴは、世界有数の玩具トップ企業になり得たのでしょうか。

それを可能にしたのが、『共創コミュニティ』の存在だといわれています。年齢を問わず、レゴ好きによるアイデアをコミュニティ内で提案してもらい、それを参考にしながら、商品開発に反映させるのです。『魅力あるキャラクターは、クライアントのアイデアから生まれる』というフローを長年用いて成功しており、それが現在のレゴ社の基本的方式の核となっています。

アイディアを新企画に生かすためキャンペーンもコミュニティ上で行なわれている。

『共創コミュニティ』を活用し、クライアントの意見をダイレクトにマーケティングに反映すれば、“クライアント思い“の企業としての評価も高くなります。また、コミュニティサイト上には、『●●の、こういう部分に非常に好感が持てた』など、ポジティブな意見が多く集まる場もあるため、企業側にとっても、前進するためのモチベーションにつながる効果が期待されます。クライアントと企業間の距離間をなくす、『共創コミュニティ』。クライアントのニーズをよく知ることが出来、彼らの立場からのよりスムーズなマーケティングが行える手段として、企業にとっては大きなメリットが期待出来るのではないでしょうか。

text/K.Van.Willemskwartier

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