ソーシャルメディアでポストセレブ時代を生き残る~米国美容ブログ「The Beauty Department」~

米国の美容ブログサイト「the Beauty Department(ビューティーデパートメント)」が依然人気だ。
2011年に米国セレブの一人、ローレン・コンラッドが立ち上げに関わり、一躍有名となったが、一昨年からコンラッドの登場が徐々に減少した。しかしソーシャルメディアを利用し、今や80万人を超えるPinterestのフォロワーを誇るほど、人気の美容ブログへ成長した。

10代の女性たちを中心に人気を集めていたリアリティーショー出身のセレブであるローレン・コンラッド。そのコンラッドのヘアメイクを担当しているのが、エイミー・ナディン(メイク)と、クリスティン・エス(ヘア)の2人だ。

立ち上げ当初は、コンラッドが実際に「モデル」として登場し、「Braids(編み込み)」ヘアスタイルの作り方やウェディング用のシンプルなメイク方の解説などの写真に登場。競争の激しい美容ブログの中でも、コンラッドという「名声」を利用した形で、一躍注目を浴びた。

しかしブログ形式で綴られる内容は、当初から実はコンラッドの存在以上に、ナディンとエスのプロとしての経験と技が、このサイトの一番の魅力だった。現在同サイトのウェブマスターであるアートディレクターのユーニス・チュンブログにその魅力が書かれている。著者の2人は「プロの技」を惜しみなく提供し、「独自性」にこだわり、サイトコンセプトにある「毎日の生活をより可愛くする」ために必要な様々なコンテンツを絞りだしているという。

その結果、昨年すでにコンラッドの登場が減少している時期にも関わらず、米国のファッション紙「Marie Claire」誌の読者選ぶ「Best Beauty Blog(最も好きな美容ブログ)」に選出された。

The Beauty Department(通称TBD)が、その人気を不動のものにした経緯には、ソーシャルネットワークの賢い利用にあると思われる。中でも、TBDはPinterestの利用に力を入れている。

もともと「Clipping(切り抜き)」という手法と、ヘアメイク関連の写真は雑誌全盛期から相性がいい。TBDは、自身のブログに使用している写真をPinterestに上げ、さらに記事の「リード」部分をキャプションとして載せている。その上で、ブログへのリンクを各写真から行なう形で、Pinterest経由のトラフィックを確保している

さらに「Board(ボード)」と名打った「カテゴリー分類」が、ブログの特性とぴったり合っていることも注目したい。本サイト上では、ヘア、メイク、インスピレーションといったジャンル分けをしている。しかしPinterest上では、「Brainds(編み込み)」、「リップ」「ネイルアート」、「DIYs」といった、さらに細かく分類することで、読者のニーズにピンポイントで応えられるようにまとめてあるのだ。

その上で、ファッショナブルで、若者に人気の大手ディスカウントストアのTarget(ターゲット)と、Pinterestを通じて共同プロジェクトを立ち上げている。題して「TBD + TARGET STYLE」。Collaborative Boards(コラボラティブボード)と呼ばれる、Pinterestのビジネスユーザー機能の一つ。複数のユーザーがボードを管理できるというものだ。ビジネスユーザーは、Collaborative BoardやGroup Boards(グループボード)と呼ばれる機能を利用することで、マーケットを拡大することができると言われている。

インターネットマーケティングのプロ、ジェフ・ブラス氏によれば、フォロワーやリピン(リツイートのようなもの)の劇的増加やブランド構築に欠かせないブランド大使的なロイヤルフォロワーを確保することができるという。

TBDは、導入時にセレブリティという広告塔を立て、同時に独自性ある内容で読者を掴み、一度獲得した読者を離さない質の高いコンテンツをキープする手法で、サイトの人気を構築した。その上で、Pinterestといったソーシャルメディアを利用し、同様のコンテンツに興味を持つ読者をどんどん獲得し続けるというシナリオが描けた。

写真やコンテンツの数が増えるほど、検索サイトとソーシャルメディア検索で人の目に触れる率は上がるわけで、いよいよ「勝ち組」の方程式を得たというわけだ。この手法であれば、常に広告塔を立てずとも、サイトや商品のブランディングを可能にできると思われる。TBDのような事例は、これからもっと増えていくに違いない。

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