デジタルシフトが進むスポーツ業界~海外スポーツテック最新事例~

2020年東京オリンピックの開催まで半年を切りました。前回開催の1964年の東京オリンピックに比べ、ITが進化し、スポーツ業界もスポーツテックなどのテクノロジーが導入され、大きく変化しました。

そこで今回はスポーツテックとは何か、また、現在注目されているスポーツテック事例をご紹介します。

スポーツテックとは?

スポーツテックとは、スポーツとテクノロジーを組み合わせた言葉で、今あるスポーツにITを活用することによって、新たな付加価値を創造したり、従来とは異なるビジネスを実現したりするソリューションのことを指します。

スポーツ庁発行の「新たなスポーツビジネス等の創出に向けた市場動向(平成30年3月)」によれば、スポーツテックはスポーツの目的によって「ささえる」「みる」「する」の3つに分類されます。

データ出典:スポーツ庁「新たなスポーツビジネス等の創出に向けた市場動向(平成30年3月)」https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/houdou/30/05/__icsFiles/afieldfile/2018/05/31/1405699.pdf

今後のスポーツテックの市場規模

スポーツは、政府の「未来投資戦略2018」において、モビリティ、環境・エネルギー、IoT/AIと並びSociety 5.0(※)の実現に向けた重要施策の1つに位置づけられています。
政府は2025年にはスポーツ市場の規模を2015年の5.5兆円から15兆円に拡大させることを目標にしており、そのうちITを活用したスポーツテック市場は1兆円を超える規模への成長が期待されています。

(※)Society 5.0:日本が提唱するAIやIoT、ロボット、ビッグデータなどの革新技術をあらゆる産業や社会に取り入れることによりする実現する新たな未来社会の姿のこと。

画像出典:スポーツ庁「新たなスポーツビジネス等の創出に向けた市場動向(平成30年3月)」https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/houdou/30/05/__icsFiles/afieldfile/2018/05/31/1405699.pdf

■海外スポーツテック事例
「する」「みる」「ささえる」それぞれの海外スポーツテック最新事例をご紹介します。

「する」スポーツテック事例:
映像や写真から選手の身体の動きをデータ取得・分析できるAI「Miro Ai」


Youtube:https://youtu.be/vFkbm5UA0ZI

香港を拠点に置くMiroはAIを活用し、マラソンの動画や写真からユニフォームで参加者を識別して、選手の走り方などの身体の動きを分析することができます。この技術を活用し、自分の走り方などから自分にあうトレーニング方法や、ウェアなどの製品を探すことができます。

それ以外に、どの選手がブランドのどのモデルのウェアや靴を身に着けているかなどといった競技者のデータも取得が可能です。

「みる」スポーツテック事例:
スタジアムで席につきながらグループ撮影ができる「BriziCam」


Youtube:https://youtu.be/Pu_yZVtgd4Q

トロントとボストンに拠点を置くBriziは、スタジアム内のカメラを活用したBriziCamというサービスを提供しています。BriziCamでは、まずスマホでスタジアム専用のURLへ飛び、自分の席番号を入力します。するとスタジアムに設置されたカメラが向きを変えて指定した席を捉え、客席にいるユーザーを撮影します。それ以外の利用方法として、スタジアムに多数設置された定点カメラを使ってユーザに試合の他視点リアルタイム映像を提供することもできます。

観戦者に試合前や休憩中などの待ち時間で退屈させないため、観戦者の満足度向上を狙え、再来場への施策として使うことができます。

「ささえる」スポーツテック事例1:
60秒で脳しんとうなどの障害を確認できるギア「Eye-Sync」」


Youtube:https://youtu.be/vYwXUIdBiPY

カリフォルニア州に拠点を置くSyncThinkが開発したVRギアEye-Syncは、アメリカンフットボールやサッカーのプレー中に発生する脳しんとうの検知を可能にするシステム。目や脳に起きている障害を60秒以内に診断することができます。障害をいち早く検知することで脳しんとうや視力障害の悪化を防ぐほか、動体視力を向上させることも期待されています。

この装置はアメフトやサッカーなどスポーツの種類を問わず、ベンチへ携帯することができます。ベンチに常備しておくことで、選手に異常があった際の脳しんとうの診断をより素早く正確なものにして、脳に及ぼす影響を最低限に抑え、チームの資産である選手を守ることができます。

「ささえる」スポーツテック事例2:
自身のパフォーマンスをリアルタイムで確認できる水泳ゴーグルデバイス「FORM Swim Goggles」」


Youtube:https://youtu.be/GuEj8AiOzo0

バンクーバーに拠点を置くFORMは、ハイテク水泳ゴーグルを開発し販売しています。FORMのゴーグルを使った場合、水泳用ゴーグルに搭載されているディスプレイ上に選手がタイムや泳いだ距離など様々な情報をリアルタイムで確認することができます。

選手が普段使うゴーグルを通して、選手は自身のパフォーマンスをリアルタイムで観ることができます。またそのことは、コーチなどの関係者の測定や分析などの負担を軽減し、経験にもとづいたアドバイスや選手のメンタルケアなどに徹することを可能にします。コーチたちがサポートに専念できることは、選手のパフォーマンス強化につながります。

最後に

今回はスポーツテックの事例をご紹介しました。スポーツテックはITを活用することで、スポーツが持つ新たな価値を創造し、ビジネス機会の創造・拡大などにつなげることができるものです。今後のスポーツ産業の成長には、スポーツテックが欠かせないといえるでしょう。

あと数ヶ月で東京オリンピックが開催され、それを機に、スポーツを通じた経済活性化が予想されます。スポーツ産業の発展に伴い、今後ますますスポーツテック市場の波が加速していくと考えられます。スポーツ業界、リーグやチームなどは、スポーツテックの波に乗り遅れることのないよう、いち早く取り入れて上手く活用していくことが求められるのではないでしょうか。

■参考記事
https://sportstech.tokyo/
https://blog.btrax.com/jp/sports-tech/
https://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2019/07/01/3898.html
https://www.gizmodo.jp/2017/09/eye-sync-vr.html
http://www.bostonstartuptrends.com/

Writer Profile

松本匡平
株式会社ADDIX デジタルプロデュース事業部 ヘルスケア&スポーツチーム

ADDIX_Matsumoto_Kyohei

千葉県松戸市生まれ。大学時代、学外活動で山梨県丹波山村の地方創生事業に携わり、ジビエ肉加工工場設立に貢献。その後、他大学の仲間と共にグルメアプリを開発。その経験からデジタル領域に興味を持ち、2019年に企業のデジタルシフトを支援するADDIXに入社。現在は、デジタルプロデュース事業部 ヘルスケア&スポーツチームに所属し、産業調査・分析を担当している


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