TDKのウェアラブルセンサが導く、ヘルスケアIoTの未来~TDK株式会社 宮本浩二氏に聞く~

生体センサ搭載のSilmeeシリーズ、リストバンド型「W20」の特徴は

生体センサを搭載したSilmeeシリーズの製品には、リストバンドタイプの「W10」「W20」と、携帯するタイプの「L10」があります。またより詳細な生体データが取れる医療専門家向けの「Bar Type Lite」や基礎体温が計測できる婦人用「電子体温計」も提供されています。

このうち「Silmee W20」は、従来の活動量計の領域を超えたさまざまな生体データが取得できるため、多くの用途で活用されています。

その特長の1つは、「体動」のモニターが可能であること。例えば万歩計の場合は1日の歩いた歩数をカウントするだけだったのに対して、体動を見ることによって、睡眠の状態や人の動きの状態をモニタリングすることができます。睡眠サイクルに始まり、工場や職場で一定の作業を行う人の動きまでをも把握することができるのです。

2つ目の特長は、「会話量測定」機能。会話は一般的に脳の活性化に役立つとされており、特に高齢者の見守りにおいては、活動量と共にどのくらい会話しているかをモニタリングすることが重要です。

3つ目の特長は、「食事管理、食事時間検出」が可能なことです。何時に食事を取ったかを自動的に記録することで、食事リズムの把握・改善に役立てることができます。

「Silmee W20」導入例:高齢者見守りサービス、従業員の作業効率化

実際には、「Silmee W20」はどのような形で導入されているのでしょうか。

「ウェラブルデバイスは一般的にはライフログとしての利用が主流ですが、このW20は『見守り』をキーワードに作られました。病院・介護施設関連事業を行っている株式会社トーカイとの共同プロジェクトでは、『見守り』に特化した機能・技術を最適化し、医療・介護向け24時間モニタリングシステム 通称『いつでもウォッチ』に活用しています。」(宮本氏 談)

このシステムでは、高齢者などにこのリストバンドを装着し、脈拍を24時間収集。随時医療関係者や家族にデータが送信されており、脈拍急変時にはアラートが自動送信される仕組みとなっています。利用者本人が異常を感じた場合には、自らボタン操作によって緊急アラートメールを関係者に送ることもできます。

また、W20 はへルスケア領域だけではなく、企業活動の改善でも成果を上げています。

「東芝ロジスティックス株式会社、東芝デジタルソリューションズ株式会社とのプロジェクトでは、倉庫における従業員のピッキング作業をデータ化することで、作業の効率化を図っています。

出荷頻度の高い商品を移動させたり、作業員の体格に合わせたり、製品配置の変更といったことに、センサから集積したデータを生かしています。」(宮本氏 談)

物流倉庫の従業員がW20を装着して通常のピッキング作業を行うことで、作業実績をデータ化して標準の作業工程と比較。そのギャップを可視化し、ムダを特定することで作業改善をサポートします。

実際に、出荷頻度の高い商品を通路側へ、低い商品を奥へ移動する、作業者の体格に合わせた製品配置に変更する、といった改善がすでに実施され、一定の成果を上げています。

1 2 3

RECOMMEND