米国「個人間送金」アプリ最新事情 ~トレンドはVenmoからFacebookメッセンジャーへ~

スマートフォンの普及とともに、個人利用のためのフィンテック(Fintech)も急速に広がりつつあります。米国ではここ何年かの間「Venmo(ベンモ)」という「P2P送金(※1)」アプリが市場を席巻してきました。ところがFacebookのメッセージアプリ「Messenger(メッセンジャー)」上でも同様のサービスが受けられるようになったことで、勢力図に変化が起きているようです。(※いずれのサービスも日本国内未導入。)米国のP2P送金の最新事情をお届けします。

(※1)P2P送金:FinTechの用語で、個人間取引、または個人間送金決済のこと。P2P Paymentの和訳。ここでのP2PはPeer-to-PeerもしくはPerson-to-Personを指す。

米国のミレニアルズにP2P送金アプリが人気

©Elyaqim Mosheh Adam

米国では、デビットカードやPaypal(ぺイパル)によってキャッシュレス化が進んできました。そんな背景を持つ米国でキャッシュレスの流れをさらに推し進めたのが、P2P送金と呼ばれるスマートフォン間での少額の金銭のやりとりを可能にするサービスです。

映画やドラマで、米国人が友人たちと食事をしに出かけて、現金で割り勘をする代わりにそれぞれがカードを出し合って「スプレッド」する、というシーンを見たことがある人もいるでしょう。しかしカードを受け付けない店で、代わりに誰かが立て替えるといったシーンも未だ存在します。そんな時に便利なのがこの個人間送金アプリ。貸し借りの踏み倒しもなくなり、さらに現金をやり取りする煩わしさもなくなるという利便性が、特にミレニアル世代を中心に受け入れられています。

デジタルマーケティングの調査会社「eMarketer」(2017年7月現在)によれば、米国のスマートフォンユーザーの1/3(32.6%)に当たる6350万人の成人が、P2P送金アプリを最低でも月に1回は利用しています。2017年の決済額は前年比155%の1203億8000万ドル(約13兆円)となる見込みで、2021年までに2桁の伸びを示すと予測されています。

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