「オタク」から「食」「観光」へ。仏Japan Expoに見る日本ファン向けビジネスの可能性。

今後注目の「観光」「食」。人気ブースのアプローチ手法とは。

会場を取材していても、子連れの家族が多い印象を持ちました。こういった来場者の多様化とともに、近年、出展する業界の幅はますます広がりを見せています。その中から、今後のニーズ拡大が期待される「観光」と「食」について取材してきました。

「観光」では、日本各地の地方自治体や観光協会などが趣向を凝らしてその土地の魅力を訴求しており、中でもインタラクティブな表現をしていたブースが人気を集めていました。例えば、美しい観光地の写真パネルを背景に写真撮影が出来たり、ご当地キャラが登場したり、人力車に乗って体験したりといった様々な工夫が見られました。

また、日本政府観光局(JNTO)ブースでは訪日準備のために相談にくる来場者に情報提供を行ない、多くのJapan Expo来場者が抱く「いつかは日本へ行ってみたい!」という願望の具体化をその場でサポート出来るようになっていました。

(※日本政府観光局のブース。)

フランス人の間では、旅行先としての日本の人気が上がりつつあります。フランスから日本への観光客数は、2012年は約13万人、2016年は約25万人超と、ここ4年ほどで約2倍に増えています。この間のフランス人海外旅行者の総数はほぼ横ばいであり、日本の人気の高さがうかがえます。

また、フランス人の観光客の約90%は、ツアーではなく個人で旅行しており、行き先や旅行先での行動は旅行者本人が選びます。そのため、日本ファンの集まるJapan Expoのような場で直接的なコミュニケーションを行うことは、旅行プランの決定に大きく影響すると考えられています。

また「食」については、Japan Expoでも2015年から『和食エリア』が設置されています。その背景にはフランスでの日本料理人気の高まりがあります。

パリの日本料理レストランは2015年の時点で746軒にも及び、その数は外食レストラン数全体の約6%を占めています。また、今やフレンチレストランでも「うまみ」や「だし」などの言葉が使われるようになっており、フランスの食文化に日本料理の概念が浸透しつつあります。

(※「ONIGIRI」のブースも。)

今回のJapan Expoでも、パリ市内の店舗が連日長蛇の列となっている福岡発祥ラーメンチェーン店・博多一風堂や、味の素の餃子の試食会、目の前で料理をして見せるライブパフォーマンスなどが行われ、いずれも大盛況でした。

(※餃子のライブパフォーマンスも好評。)

東京五輪を控えた今が、フランスの日本ファンにアピールする絶好の機会。

Japan Expoへの出展では、現地の日本ファンへのプロモーションはもちろん、本格的なビジネス展開の前に日本に興味のある人たちの反応を見ることが可能です。

Japan Expoは2019年には20周年。東京オリンピックのある2020年までの構想はすでに決まっているとのことですが、ブース出展の募集は毎年1月中旬に行われます。フランスでは2024年にパリオリンピックも控えており、現政権も経済活性化に積極的に取り組んでいます。

フランス市場への展開を考える企業や、フランス人観光客を呼び込みたい自治体などには、このような追い風の吹く時期に、Japan Expoのような日本文化への親和性の高い人々が集まる場所で積極的にコミュニケーションを仕掛けていくことは、有効なアプローチとなり得るのではないでしょうか。

■JAPAN EXPO
http://www.japan-expo-france.jp/
インフォメーション 第18回:フォトアルバム 『ツーリズム編』
http://www.japan-expo-france.jp/jp/menu_info/_100942.htm

(参考記事)
https://www.jetro.go.jp/world/europe/fr/foods/trends/1010003.html
https://honichi.com/visitors/europe/france/data/

Writer Profile

鵜飼佐保子 BWRITE編集部/株式会社ADDIX

ADDIX_Ukai_Sahoko

法政大学在学中、フランスに2度留学。卒業後はデジタルマーケティング企業ADDIXに入社し、企画営業や制作、ソーシャルメディアディレクター等を経て、現在はフランスパリに駐在所を立ち上げ現地で活動中。BWRITEでは主にフランスを含む海外のケーススタディ記事を執筆。

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