【インタビュー:ハーバード流人材育成に学ぶ】前編:これからのリーダーに必要な資質とは?

次世代のリーダーたちに感じる社会意識の高まり

-新たなフレームワークでは、知識だけではなく、自分が社会にどう向かいたいかが重要とのことですが、この考え方は社会貢献を重視するといわれるミレニアルズの考え方にも通じるように思います。グローバルエリートであるHBSの学生たちの多くもまたミレニアルズに当たりますが、彼らが以前の学生に比べて社会的事業に高い関心を持っていると感じることはありますか?

山崎氏:10年HBSで働いていた肌感覚ではありますが、社会貢献や社会的事業に対する興味は高まっていると感じます。HBSでは2000年代の初めに「Social Enterprise Initiative」という社会的事業に関する研究や教育を行う横断的な組織が立ち上がりました。当初はそうしたテーマの授業はあまり人気がなかったと聞いています。それが今では、履修が難しい人気クラスになっているそうです。

学生たちの社会貢献への興味の高まりには、例えばビル・ゲイツやマーク・ザッカーバーグのような、ロールモデルとなる成功者たちの存在が大きいと思います。資産のほとんどを社会貢献に使うというビル・ゲイツの行動は、一人の人間として尊敬を集めていますし、マーク・ザッカーバーグは財団を作って「教育分野」に投資をするなど社会貢献活動に力を入れています。

さらに、本業で稼いだお金で社会貢献をするというゲイツやザッカーバーグのモデルに加えて、本業で社会貢献する、事業を通じて社会課題の解決を行う、というソーシャルビジネスを志す人もHBSでは増えてきています。2006年にグラミン銀行の創始者ムハメド・ユヌス氏がノーベル平和賞を受賞したことも、ソーシャルビジネスの社会的認知や興味の高まりにつながっているのではないかと思います。

真のリーダーには「共感させる力」「夢を見させる力」が必要

-山崎さんは、東北でのジャパンIXPや、HBSでのリサーチ活動などを通して、数多くの優れたリーダーの方と触れ合う機会がおありだったかと思います。そんな山崎さんが考える、これからのリーダーに求められる資質とはどんなものでしょうか?

山崎氏:私はリーダーシップの専門家ではないので、あくまでこれまでいろいろな方にお会いしてきた経験に基づく私見になりますが、多くの人を率いるリーダーには、「共感させる力」つまり「自分の夢をみんなの夢にする力」が必要だと思います。

リーダーとは何をする人なのか。それは「ビジョンを掲げ、そこに人を向かわせる」ことができる人のことなのではないでしょうか。ビジネスでも、政治でも、社会問題でも、どの分野でも同じです。

こういったリーダーたちが抱く夢はとても大きく、いろいろな人の持てる力を出し切らないと実現はしません。ですから、「メンバーが気持ちよく能力を発揮出来るチームや場、組織を作っていくことができる力」も、リーダーに必要な資質のひとつではないでしょうか。

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