韓国コスメ「クレアス」、ライブ動画やポップアップストアで顧客とコミュニケーション

(※画像はFacebook @klairsglobalより。)

韓国コスメの口コミサイトで第1位を獲得

2009年設立の韓国発自然派コスメブランド「クレアス(Klairs)」は、SNSを駆使したマーケティング手法でブランドの認知を広め、今や韓国コスメを代表するブランドの一つとなりました。クレアスの製品は、皮膚科専門の化粧品研究所で研究開発されており、効果が高く、それでいて最低限のシンプルな原料から作られているため、低刺激スキンケアラインとして知られています。

その人気は、韓国コスメの口コミサイト「グローピック(GlowPick)」において、年間で最も評価の高かった製品に対して贈られるPick of the Year(1位)を「Klairs Supple Preparation Facial Toner」(化粧水)が、2年連続1位を獲得していることからも分かるでしょう。(なお、「Mochi BB Cushion Pact」も部門別で1位になっています)

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(※クレアスInstagramのスクリーンショット。 画像出典:https://www.instagram.com/p/BOeWhqZBu-2/?taken-by=klairs.global

欧米で人気が高まるクレアス

韓流の流れは日本やアジアに止まらず、特に韓国コスメへの注目度は今や世界規模に広がりました。そんな中クレアスの製品は、欧米を中心に海外からの評価も高く、米国では若者に人気のブティックチェーン「アーバンアウトフィッターズ(http://www.urbanoutfitters.com)」の旗艦店で取り扱いがあります。その他ドイツ、オランダ、タイ、マレーシア、香港では、ネットのみならず、小売店での取り扱いを受けています。

クレアスは、コストのかかる旧来からの雑誌広告などにはあまり投資しない方針でブランディングを進めており、顧客によるレビューつまり「口コミ」に全力を尽くしたブランディングを行っています。

Facebookで英語のライブ動画

クレアスの顧客とのコミュニケーションの手段はSNS、特にFacebookです。@klairsのアカウントは、韓国語に特化しており、国内の顧客とのコミュニケーションに注力しています。その他、台湾、香港、ノルウェーのFacebookアカウントは、各国の現地語のチャネルとなっており、製品の特徴や国内の取り扱い店舗情報などをほぼ毎日発信しています。

一方、グローバルマーケットを意識して運営されているのが、@klairsglobalになります。
30分のライブストリーミングでは、クレアスの製品を毎回1点ずつ紹介しつつ、視聴者から製品に対する疑問や感想、さらにスキンケアに関する悩みを聞き出しています。

【Facebook @klairsglobal :動画一覧】
https://www.facebook.com/pg/klairsglobal/videos/?ref=page_internal

ライブ動画のホスト役は、韓国の女性ヒップホップアーティスト「キャスパー」。Instagramで10万人のフォロワーがいるインフルエンサーです。

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(※クレアス Instagramより。 画像出典:https://www.instagram.com/p/BLQR3RshzR9/?taken-by=klairs.global

昨年11月下旬から毎週木曜日始めたばかりのこのライブ動画ですが、すでに安定的な視聴者数(1000人強)を確保しています。コミュニケーションは全て英語(一部視聴者のリクエストで、時々韓国語は入ることがあります)です。

このライブ動画の特徴は、「ライブギブアウェー」という名で毎回動画配信中に視聴者へのプレゼントを行うことです。放送中に書き込まれるコメントから、毎回3~5名程度を選び、その日紹介した商品をプレゼントしています。これが非常に好評です。

ファンとの対面にポップアップストアを利用

さらにクレアスは、ファンとの距離感をポップアップストアといったリアルイベントを利用して狭めています。デジタルの世界だけではなく、実際にファッションやコスメのイベントで、商品を手に取り、試してもらう機会を作ることで、ブランドの認知力を高めているのです。

例えば韓国では昨年、2万人規模の来場者が見込めるファッション関連のイベントに参加しました。SNSでイベントに参加したことをシェアした来場者へクレアスの製品を無料で配布したところ、イベント開始から約1時間で配布完了するほどの人気を集めました。先述の「グローピック」主催のイベントでは、特別価格で提供された人気アイテムの化粧水「Klairs Supple Preparation Facial Toner」が、開店2時間で完売するほどでした。

一方海外では、米国内で韓国コスメを専門に扱うネットショップ「Soko Glam」や、親会社のオンラインコスメショップwishtrend.comで共同出展する形でやはりイベント出展をしています。その結果、米国の主要都市に限らず、インド、ベトナムやウクライナなど広い地域でファンとの対話の機会を作っています。

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(※クレアス ニュースルームより。画像出典:http://www.klairscosmetics.com/wp-content/uploads/2016/08/%EC%BA%A1%EC%B2%98.jpg

ロサンゼルスで開かれたイベントに登場したクレアスは、PRの一環としてブース内に「フォトブース」を開設しました。その結果、1000セッションを超える写真撮影が行われ、Instargamを通じて1,800件がシェアされ、19万以上の感想が寄せられるという大きな反響を得ています。

SNSとポップアップのバランス力でファンとの距離感を狭める

こうしたファンとのSNSを通じた細かいやりとりに加えて、イベント出展での対面コミュニケーションをバランスよく行うことで、ブランド力を蓄えてきました。さらに、力のある販売網との強力なパートナーシップで、地元韓国だけでなく、海外展開での成功を収めています。

自社サイトにある「ニュースルーム」と題したブログでは、こうした同社の細かい展開の様子が報告されており、特に着実に展開を広げている海外でのアプローチついては、市場開拓のステップから、開拓先のコスメ業界に関する動向まで、様々な情報が惜しみなく書き綴られています。

海外のコスメイベントの様子や、各国のコスメ業界の伸び率など、数字的な情報も記載されているので非常にわかりやすく、これから海外展開をしたいと考える日本のコスメブランドにとって、参考になる情報が溢れています。

クレアスを知るひとぞ知るブランドに押し上げたのは、グローバルな視点を持ったデジタル戦略に加え、それをフォローする現地小売店網の拡大と、イベント出店のバランスの良さです。また「視聴者プレゼント」を、製品のプロモーションだけでなく、ファンのニーズを理解する相互コミュニケーションの場として上手に利用しています。既存の「座談会」や「アンケート」に頼らない、新しい顧客ニーズを掴む手段としても、クレアスのデジタル戦略は参考になるでしょう。

■「Klairs(クレアス)」参考サイト
公式サイト:

http://www.klairscosmetics.com
Facebook(グローバル):
https://www.facebook.com/klairsglobal/
Facebook(韓国):
https://www.facebook.com/klairs
Instagram:
https://www.instagram.com/klairs.global/

text/Yukie Liao Teramachi

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